荒木飛呂彦先生の「岸辺露伴は動かない」シリーズの新作だよ。
ファン待望の一編だね。
10話目の発表でめでたくコミックスの2巻めが発売されるよ!
ちなみに第1巻は2013年11月発売。エピソード1は1997年発表だから…ワンピースよりちょっと前って事だよね!
20年かー!そりゃ露伴先生も人相が変わりますよ。
つーか画風だよね。露伴先生の登場する第四部はもっと昔だし、四部の途中でもキャラデザインはだんだん変わってたしね。
話の導入のわけわからん感じは「岸辺露伴は動かない」の特徴かもね。
テレビドラマっていうより映画的な見せ方かなあ。二本の手がリモコンらしきものを奪い合ってる場面は手だけなのにそこに対立する意思の存在を感じさせてて面白いね。続いて露伴先生の独白へと取ってつけたみたいに場面転換するっていう変化もそう。独白の様子はなんだかドキュメンタリー風で妙な話、リアルさがある。物語は急に近づいてきてそのくせ目の前でモゾモゾと蠢くような焦らすようなムードで始まっていくね。
原宿でたまたまスカウトされた橋本陽馬は「肉体を鍛え上げなきゃ駄目…!」と指示されてジムで鍛え始める。
鏡に映った自分にウットリしてるうちはまだマシで、次第に度が過ぎて狂気を帯びてくる様子が怖いね。
鏡に映った自分にウットリしてるうちはまだマシで、次第に度が過ぎて狂気を帯びてくる様子が怖いね。
部屋中をボルダリング仕様にして彼女のミカちゃんとケンカしてボルダリングしながらそのまま窓から出ていく場面なんて、言葉にしたら笑い話になるようなところなのにね。
その狂気の裏には露伴先生へのリベンジの執念が。
なにやってんスか先生。あちこちで勝負を持ちかけたり持ちかけられたりしてんのね。それに体力に自信があるタイプでもないと思ってたんだけど。
こういう質の悪い子どもじみたところっていうかアクの部分もあるキャラだよね。露伴先生って。
橋本陽馬が次第に本性を表してくるね。服を脱いで筋肉を見せつけると思ったら、突然バック走して背後のガラスをダンベル投げつけて破壊する。いやコレ怖ぇー!(高所恐怖症なんだよね!)
ここらへんから展開のスピードが加速していく感じが本当にスリリングだよ!
ゲームに負けたら窓の外に放り出されてアウト。リモコンでトレッドミルを停止させようとしたら伸ばした手を掴まれて指を折られる、とたたみかけてくる。
スタンド能力「ヘブンズドアー」発動。でも追討ちで衝撃の事実が。かたっぱしから始末してるじゃないですか。またまた怖ェーっ!
「済」のハンコが罪悪感のカケラもない感じでなんかイヤだなあ…。
橋本陽馬の勝利。でもヘブンズドアーの能力で露伴先生は生き残ったね。
ヘブンズドアーも歳をとった…ゲフンゲフン
窓から落ちた陽馬を確認しない理由の説明や、露伴先生が受けた精神的なダメージはわかるんだけどどこか釈然としないような。
犯罪者ならばまだ人間でヘブンズドアーの能力で対抗できる存在なのかもしれないけど、露伴先生は陽馬の肉体に「神」を見たんだよね。神にいたずらにゲームを挑んでしまったことが過ちで、結果ただ逃げることしかできない。ってことで良いんじゃないのかな。
だって人殺しだよ?神とか言っちゃダメじゃない?
ギリシャ神話の神様はそういう解釈に当てはまらない部分もあるみたいかなあ。ヘルメス神は冥界の案内人みたいな役割もあるみたいだけどそういうことじゃなくて、なにか人智の及ばない存在みたいな感じというか、人の生き死になんて目もくれない存在っていうのかね。
■
ラストは漠然とした恐怖を残して終わったね。これぞ「岸辺露伴は動かない」シリーズだよ。
引きつけるツカミから序盤のややゆっくりとしたテンポ、そして中盤からの加速するような展開とさすが荒木飛呂彦先生って感じだね。
異世界感の中に現実の風景とリアルさがあり面白さは濃厚。それでいてキレと余韻を両立させているラスト。おもしろかった!
すばらしい作品だと思います。
ルームランナーとかランニングマシーンかと…
で、マシーンつっちゃってる自分がしみじみと悲しいです。おっさんぽくてなんだか。